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「空手の型は技術的見地から言えば武器の宝庫であります。
空手は武器なき武術ではありますが
我が手足の働かしかたによって之を武器に変ぜしむるものであります。
手足の働かし方即ち技法は型という庫のなかに無尽蔵に蓄えられています。
空手は型という倉庫が幾棟もあって、それぞれ異なった武器が貯蔵されて居りますから
その中から如何なる武器でも自由に持ち出してきて、それを表からだけでなく裏から、
そのまた裏からを活用法を考え、その用法に熟練すれば千変万化の秘術を我がものとすることが出来ます。
型を重要視せず組手第一主義を唱える人には、往々にして、さも天来の妙技を発見したるが如く
得々としてある技法を誇示することがあります。
しかしその技法たるや決して天来の妙技法でもなければその人の新発見でもなくして、
古人が型という倉庫のどの棟かにちゃんと入れておいたものに過ぎない場合がいくらもあるのであります。
我々がよく注意して多くの型を学び、その中の技法を表裏から研究しさらにその変化を考えて行けば、
恐らくは全然 新発見とすべき技法はなかろうと思われます。
空手の型を重要視せずして組手第一主義を唱える人には、その点を深く反省すべきだろうと思います。」
――魔文仁 賢和 著 仲宗根 源和 著 「攻防拳法 空手道入門」