07/04/06 22:34:46 BJAu4uy00
空を切るナイフ、咬み裂かれたふくらはぎから噴き上がる血煙。
素早く繰り返されるバイト&アウェイで間合いを取るやいなや
四肢を踏ん張った狼が鼻がしらに皺を寄せ睨み付けると、
空振りのナイフの勢いでバランスを崩した男の背後から、
数頭の狼たちが飛びいた。
狼たちは男の足と腕を咬み砕き、その皮膚と筋肉を引きちぎった。
頼りのナイフははるか彼方に落ちていた。
血に倒れた男は狼の両の前肢で上半身を押さえつけられていた。
男を見下ろす狼と目があった時、彼は観念した。
逃れるすべはもう無い。仰向けのままでも、背を向けても
男の頸動脈は咬みちぎられる運命を待つしか無かった…。
狼は単独では狩りをしないのだ。