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生活協同組合コープこうべ（神戸市東灘区）の２００９年度の店舗事業の売上高が、
コープさっぽろ（札幌市）に抜かれ、２位に転落する可能性が浮上してきた。
コープこうべは単独生協としては組合員数や事業規模が国内最大。発足以来、
主要事業である店舗販売も首位を守っているが、１９９５年の阪神・淡路大震災で
打撃を受けて以降、赤字体質から抜け出せず、不採算店舗の閉鎖を続け、事業規模が
縮小している。
コープこうべは、起源の組合が１９２１年に発足した国内初の生協。店舗売上高は、
９６年度の２７８３億７１００万円がピークで、２００８年度は１７７９億６９００万円
まで減少。一方、コープさっぽろは成長を続け、０８年度は１６５８億８４００万円。
阪神間を地盤とするコープこうべは、震災で施設の７割が被災し、総額５００億円の
被害を受けた。さらに震災後は県外スーパーなどが被災地で相次ぎ出店し、競争が
激化したことも足を引っ張った。かつての神戸・阪神間は、コープこうべとダイエーの
流通２強の牙城とされたが、ともに震災被害で経済構造の変化にあわせた店舗改革が
足踏みし、他社の進出を許してしまうかっこうとなった。
関係者らによると、本年度は不況などの影響でこうべの店舗事業の売上高が前年を
下回っている一方、さっぽろはプラスで推移。公表済みの０９年度予測では、
こうべが１７４５億７２００万円、さっぽろが１７６５億円で、さっぽろが約１９億円
上回る。
こうべは現在、１０年度までの３カ年経営計画の見直しを進めており、不採算の衣料
・住環境品販売の大幅縮小やチラシ、特売の削減など、店舗事業の抜本的な改革を
検討中。一方、成長している個人宅配などの無店舗事業を強化する方針だ。