09/01/12 08:25:12 K5pW/k5h
三十万円の壁がある。
京都市北区の岩崎弘泰(30)は昨年十二月、市内の就職支援機関「ジョブカフェ」を訪ねた。
五十代の相談員が言葉を選んで口にした。
「正社員として就職しようと思ったら、三十万円は蓄えとして用意しておきなさい」。
初任給が出るまでの生活費が必要なことを諭された。
「この階層から抜け出すのにも金がいるのか」
派遣社員の岩崎にとって、今は一日を生きるのが精いっぱい。奈良県に住む父親は失業中。
頼るわけにいかず、その額はあまりにも大きい。
学生時代は学者になりたかった。大学四年の夏と冬に大学院を受験。合格通知は来なかった。
就職に切り替えても、不景気で採用は抑えられ、職も決まらない。
「これからどうしようか」。一人暮らしをしていた六畳の和室で途方に暮れた。
貯金が底を突き、翌年五月からアルバイトを始めた。それ以来、
非正規雇用の警備員や日雇い労働者として、職場を十カ所以上も転々とした。
まとまった金がほしくて、鳥取県と兵庫県で出稼ぎしたことがある。
二〇〇二年九月から翌年六月の約十カ月間、体調を崩しながら働いた。
大学卒業後、通帳の残高が三十万円を超えたのは、この時一度だけ。
その蓄えも、運転免許の取得費用に消えた。
お前らまだ雲助で良かったな! 稼げないけど・・・