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<年金基金の財政難、赤字補てんにタクシー業界悲鳴>
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(略)2007年末、講和交通(神戸市兵庫区)が倒産した。(略)負債額は不明だが、同業者は
「競争激化や燃料高騰で苦しい中、厚生年金基金の補てんがだめ押しになった。ひとごとで
はない」と表情を曇らせる。
昨年8月には、三宮自動車交通(同市長田区)が3億5千万円の負債を抱えて破産。売上高
がピーク時の半分の約3億円に落ち込んだ上、加入する厚生年金基金の解散に伴う赤字補
てんで06年から1億8千万円を10年間の分割で支払うことになり、資金繰りが急速に悪化した。
二社が加入していた「兵庫県乗用自動車厚生年金基金」は、70年に神戸市内のタクシー会
社が設立した。人材確保を狙って、厚生年金に上乗せして手厚い年金給付ができるようにした。
しかし、運転手の高齢化で支給額が増大。バブル崩壊後、運用利回りも低迷した。年間16億
円の年金給付に対して、加入社からの掛け金は約5億円。逆ざやで立ちゆかなくなり、06年
1月に基金は解散した。
厚生年金基金は、厚生年金の一部を国に代わって運営している。解散すると、この代行部分
を国に返上し、積み立て不足を納める義務が生じる。同基金の加入50社は、約70億円の不
足額を支払う必要に迫られた。
二社の倒産で、連帯責任を負う他社の支払額が増えた。大開タクシー(同市兵庫区)の蔵野
勲社長は「月額十数万円の負担増となり、毎月250万円が消えていく」とため息をつく。
(略)
財政難などから全国的にも厚生年金基金の解散が相次ぐが、厚生労働省は「ここ数年は
運用利回りが向上し、必ずしも厳しい基金ばかりではない。第一、基金は企業の任意で設
立されたもの。代行部分の穴埋めは当然」とする。
流通科学大の田村祐一郎教授(保険論)は「厚生年金基金の苦境は、国の低金利政策も
一因。基金解散に当たっては、苦しい企業への低金利融資や支払い分割期間の延長など、
救済措置が必要ではないか」と指摘している。(以下略)