07/04/30 23:56:11
●日本人化を押しつける学校文化
あわや: このあたりで、子どもが適応していく場の一つである学校の話に入りたいと
思います。先ほどのドロップアウトのお話に続けて、白水先生はどうお感じですか?
白水: とにかく、日本の学校教育は「日本人になれ」「皆と同じであれ」ということを、
口では言わないけれども、徹底して教えますね。ある地方の学校に入った外国人の
子どもたちが言うんですよ。「なぜみんな、グリーンで二本ストライプが入ったジャージを着て
学校へ通わなきゃいけないの?」と(笑)。九歳、十歳までそういったことを一度も
やったことがない子どもたちにとっては、そんな日本の学校文化の中にほうり込まれる
というのは、大変なことなんですよ。
あわや: 日本に生まれ育った日本人だけを考えてみても、小さいときに異年齢の
子どもたちが一緒に遊ぶということがない。
白水: 学校にとらわれている時間が長過ぎるんですよ。六時間目までやって、クラブ活動を
やって、いつ違う人とつき合うんですか。せいぜい塾へ行って、できる学校から来た人と
一緒になって、おれは意外とできなかったとかとかいうことを確認するぐらいしかないでしょ?
それも受験という目的だけの非常に特殊な状況ですからね。
あわや: そういう意味では、まず最初の段階で異文化にぶつかり合う機会が少なくなった
ということなんでしょうかね。
白水: 全員日本人にならなきゃ、みたいなことが幼稚園に入った段階から始まるんですよね。
外国人の友達が日本に来たときに、幼稚園の運動会に連れていったら、四歳、五歳児の
行進を見て感動してましたよ。「しかも足がそろってる!」って(笑)。次に小学校へ行ったら、
同じ色のブルマー、同じシャツを着たのがさーっと入ってくる(笑)。とにかく、社会学的に
言えることは、そうやって日本人化していくということです。良し悪しは別として、見事な
文化化のシステムなんです。
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