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犯罪の被害者が発言力を持つようになって来たのも関係している。
被害者にとって最も辛いことは「事件の風化」であると言い、マスコミも事件を感情的に報道するが、これは治安の悪化とは連動しない。
2章では、犯罪の語られ方が「一時のトレンド」から「恐怖」に変化してきた事が明らかにされる。
つまり、「宮崎勤や酒鬼薔薇の猟奇犯罪」は言論人の解釈ゲームの題材として娯楽として消費されたが、
普通の生徒が女教師を刺殺した「黒磯事件」をきっかけに、加害者側が
「理解不能な怪物」に変容したという。
同時に社会の興味が「犯罪者の心理」から「被害者・遺族への共感」にシフトした事も指摘される。
しかし、結果としての「厳罰化」の流れが「犯罪抑止」に結びつくという確証が何も無い事も明かされる。
(参考)
犯罪不安社会 誰もが「不審者」? (光文社新書) (新書)
浜井 浩一 (著), 芹沢 一也 (著)
amazon.co.jp カスタマーレビュー