07/09/30 00:29:37 20Dvbr5s
★日本の医療機関は国の医療費抑制政策と司法・マスコミ・患者による
安全要求という2つの矛盾する強い圧力にさらされ、それが、
どうしようもなく悪化している。
国立循環器病センターは心臓血管外科の集中治療科は関西では救急の
最後の病院とも目され、昨年話題になった奈良県大淀病院での妊婦死亡
の際は17の救急病院に断られて最終的に受け入れた病院。
ここのICU勤務医の技術レベルは相当高く、安易な補充が利かないし
補充できたとしても、その分、他の救急病院が機能不全に陥る。
医師は辞職の理由を「心身ともに疲れ切った」と説明している。
7人で24時間体制のICU20床と救急搬送も含め1100人を回す
のは想像を絶する過酷な労働条件といってよい。
このことは同病院に勤務していた看護師が2001年に三交替で不規則
な勤務の上に80時間の残業のために過労死で亡くなった事例からも判る。
追い討ちをかけるように昨今は医療事故への訴追リスクが高まっている。
医療ミスは患者の立場からは許せるものではないが、過労で意識朦朧と
なっている状況で、100%完璧な仕事を強いられるのは過酷過ぎる。
医療というものは、100%完璧な処置でも、患者の状況しだいでは
不幸な結果になることも良くある世界。そうなれば、ただでさえ過酷な
仕事に追加して訴訟での不毛な時間と、病院経営層からの白眼視を
背負う羽目になってしまう。
いくら医師としての志を高く持っていても、この現状は余りに理不尽な
労働環境と高リスク。集団辞職も当然の帰結と言える。
こんな環境下の勤務医が通院外来のみ診療する開業医に転進する数が
増え、それが益々医療従事者の人手不足を進ませる悪循環もいよいよ
加速がついてきたと言える。
最近の小さな正義の追及・軽犯罪の厳罰化の風潮が社会をどんどん悪化させている