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○自由を奪われる子供たち(英国)
英国では12歳未満の小学生までの子供たちは、学校まで大人が送り迎えしなけ
ればならない。子供を1人で歩かせたり、バスや地下鉄などの公共交通機関に乗
せると、危険にさらしたとのことで警察官から注意される。
通学に限らず、子供が自宅から外出して、近くの公園や通りで遊ぶことも親の
無責任な行為だとされており、子供たちはせいぜい自分の家の庭でしか自由に遊
べないでいる。
これは子供の誘拐、児童性犯罪などに遭う危険が高いためで、都市部だけでな
く地方でも同様のようだ。しかし、こうした異常な事態は英国でもここ30年間ぐ
らいのことらしい。1970年には全国の小学生の80%は1人で通学していたという
(現在は9%以下)。
筆者が住む大都市ロンドンではもちろん、子供たちが1人で通学したり自由に
遊んでいる姿は見たことがない。従って、大人が子供と接したり、話したりする
機会は皆無だ。
ところが、スコットランドの田舎町に行った時のことだ。午後4時ごろ、小学
生の子供たちが親の出迎え無しに三々五々歩いて下校していた。1人の男の子は、
通りで擦れ違った際に向こうから“ハロー”とあいさつしてきて、びっくりした。
しかし、筆者が育った日本の田舎町ではこうしたことが普通であったし、2、
3年前に帰省した時でさえ、まだ子供たちが“こんにちは”とあいさつしてくれ
たのを覚えている。
「ウサギ追いしかの山、コブナ釣りしかの川……」。先進国では次第に、子供
たちから自由が奪われ、ふるさとの自然と接することさえできなくなっている。
悲しいことだ。(G)