06/11/13 22:55:02 67dAbkoz
宋文洲の傍目八目 いじめが自殺につながる日本の「空気」 4
これは励ましになるのかもしれませんが、けして「今のこの状況に同化しなさい」と諭
したのではなく、「周囲が狂っている。あなたは間違っていない」ということを言い聞か
せてくれたのです。
父や母の言う通り文化大革命の狂気の世界は、その後収まりました。その後も僕はいじ
めらしきものを受けたことがあります。中国から留学生として来日してから20年間という
日々の中には、周りが相手にしてくれない時期がありました。留学生の時は干されること
もありました。事業を始めた時も、最初は社内でも蚊帳の外に置かれる時もありました。
でも自分は自分であると思い、また自分なりの目標があったので、無理に彼らの仲間に
なりたいと思っていませんでした。だから、そんな仕打ちを受けても全く意に介すること
はありませんでした。自分を見失わずに過ごしていると、最初は僕を相手にしないような
人間も、いつの日か僕の価値に気づき、そして急に相手にするようになりました。それは
妙に後味のいいものでした。
「情け」「根性」は健康に生きてこそ持てるもの
僕が親からもらった最大の財産は、「我慢できなくなると逃げる」ということです。こ
んな態度は、日本では恐らく「情けない」「根性がない」と言われる方が多いでしょう。
でも情けも根性も、健康に生きてこそ持てるものです。
岐阜の少女の遺書にあった「がんばる事に疲れました」は、「我慢することに疲れまし
た」と理解すべきです。ここの「がんばる」は決して前向きに努力することではなく、後
ろ向きに我慢することなのです。
ささいな人間トラブルが無邪気な子供たちを死に追い込む空気は、実は我々大人がつく
り出しているのだと認識すべきなのです。
URLリンク(business.nikkeibp.co.jp)