10/05/23 22:12:04
それからおよそ7時間後。午前0時を回ったところで、私の携帯に着信があった。北芝さんからである。
「あー、もしもし、夜分に申し訳ありません」
現状では回復している私の体調も、吐血して入院治療した後、数ヶ月間、処方薬治療に頼っていないと
体が持たなかった。お見舞いに来てくれた後、その体調を危惧して、栄養面などで本に載っていないア
ミノ酸摂取などサプリメント摂取法などを指導してくれていたのが北芝さんだった。北芝さんのお陰で
処方箋治療以上の体調回復があることを私は自覚していたのだが、その北芝さんが規則正しい生活を義
務づけられている私に深夜、電話をしてきたのである。
「もう御堂岡とは縁を切ってください!」
北芝さんの強い怒気を含んだ声に、私は「えッ!?」と息を飲むしかなかった。
「あいつ、道場の女性達や取材に来る女性の雑誌スタッフなどにセクハラメ
ール送りまくってたんですよ」
「セ、セクハラメールって?」
「いきなりボクと温泉行きましょう、とか言ってね。それで断ると、バカ、
デブ、ブスと考えられるありとあらゆる罵声を載せたメールを日に何通も
送りつけてる。実際、私は転送されて持ってるんですけどね。一応、確認
のために、奴にさっき、電話したんですよ」
「そ、それで?」
「私がつかんでいる情報を投げかけて、本当なのかと問いかけたところ、
いきなり切れやがって、テメー、コノヤロー、ふざけてんじゃねーぞ、
って言ってきたんですよ」
「……」
「何だ、その口の利き方は!と言うと、うるせーんだよ、がたがたぬ
かしやがって、と。中居さんにも告げますが、今後、一切の奴との連
絡は無用です」
中居、三枝はその後、信じられないようなメールを北芝さんから見せ
られることになる。
(続く)