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治安維持法第1条には
1. 国体を変革しまたは私有財産制度を否認することを目的として結社を組織し、または情を知りてこれに加入したる者は10年以下の懲役または禁錮に処す。
2. 前項の未遂罪はこれを罰す。
とある。
「国体を変革することを目的として結社を組織し、または情を知りてこれに加入した者」などという構成要件(しか
もその未遂罪も罰せられる)では、政府に都合の悪い奴はすべてとっ捕まえることができるという法律である。
昭和16年には、「国体を変革することを目的として結社を組織したる者または結社の役員その他指導者たる任
務に従事したる者」は最高刑死刑で罰することができると改正された。またそのとき治安維持法違反により刑を
受け非転向のまま刑期を満了して出獄した者の再犯を防止するために、その者を拘禁し続けることができる予
防拘禁制度もあわせて設けられた。こうなったら都合の悪い奴はいつまででも拘束できる。政府は事実そうした。
この治安維持法の摘発に当ったのが特高警察であった。特高とは特別高等警察の略称で政府に批判的な者
から蛇蝎(だかつ―広辞苑:へびとさそり。人が恐れきらうもののたとえ)のように恐れられた。特高のもっとも
酷いところは、裁判など関係なく拷問を加え自ら刑を執行したことである。『蟹(かに)工船』などの名作を残した
作家の小林多喜二は、1933(昭和8)年2月20日、スパイの手引きで街頭において治安維持法違反容疑で逮捕
され東京・築地警察署に留置されるが、転向を拒否したため特高警察の拷問でその日のうちに虐殺された。
29歳と4ヶ月という短い生涯であった。
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