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北海道開発局官製談合：元国交省局長、「記憶にない」連発－－地裁初公判 ／北海道
12月23日11時1分配信 毎日新聞
◇元国交省局長、弁明に終始
北海道開発局の談合体質が白日にさらされた官製談合事件摘発から半年。公の場で初めて口を開いた元開発行政トップは「記憶にございません」を連発した。
札幌地裁で２２日あった、国土交通省元北海道局長、品川守被告（５９）の初公判。「非常に能力があり、バリバリと仕事ができる人間」。
証人尋問に立ったかつての上司からこう評されたキャリア官僚は、歯切れの悪い弁明に終始した。【大谷津統一、佐藤心哉】
◇髪伸び表情やつれ■割り付け表原案
「ＯＢだけなら建設会社の会議室で十分。品川さんが来るから、ホテルを取った」。
公判では、既に有罪が確定した開発局ＯＢ２人が証人尋問に臨んだ。ＯＢの一人は品川被告が割り付け表の原案の最終チェックをした場について、０４年はＪＲ札幌駅北口のホテル、０５年は大通公園沿いのホテルと証言した。
品川被告はその際、Ａ４判数枚にわたる割り付け表原案を、上から目で追いながら「この会社のＯＢは誰だっけ」と雑談を交えながらチェック。本命業者の差し替えやＪＶ（共同企業体）の組み替えを指示したという。
■あり得ないと反論
０５年の最終チェックは、品川被告が遅刻したため約２０分で終わった。ところが、品川被告は自身の被告人質問で
「明確な記憶がないが、仮に最終チェックを頼まれたら、自分の性格上、時間をかけ、いろんな資料をそろえないと決定できない。（２０分でチェックすることは）あり得ないと思う」と反論した。
このＯＢは、品川被告が旭川開発建設部次長時代の上司でもあり「品川被告が次長の時も官製談合をしていた」と証言した。品川被告は「指名競争入札でどこを指名するかの作業が大変で、その記憶しかない」と答えた。
「談合は犯罪と分かっていた」と言う品川被告。検察官は「法に触れると分かっていれば、迷いを感じると思うが、そういう記憶もないのか」と畳み掛けたが、答えはやはり「記憶がありません」だった。