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林道に厳しい指摘 公開の県ＨＰで専門家
12月14日10時35分配信 琉球新報
県森林緑地課は、国頭村での林道建設に伴う環境調査結果をホームページなどで１９日まで公表しているが、この中で学識経験者らが、林道建設について
「どのようなメリットがあるか疑問。やんばるに林道を造り過ぎている」などと厳しい指摘をしていることが分かった。
県は環境調査の一環で、環境保全措置などの助言を求めるため、植物、環境教育、水生生物をそれぞれ専門とする県内の大学教授３人から意見を聞いた。
植物専門家は「なぜ林道建設が必要なのか、なぜ沖縄で木材生産が必要なのか、県民に理解を求めることが非常に少ない」と、林道建設計画や県内林業に関する情報公開と説明責任の必要性を指摘。
環境教育の専門家は「世間一般の目も厳しい中、この計画は自然の攪乱（かくらん）面積が大きい」と林道建設が環境に与える悪影響を懸念。「負の部分に十分留意し、保全対策もしっかりと実施しなければならない」との認識を示した。
水生生物の専門家は「どのようなメリットがあるか疑問。個人的には、やんばるには林道を造り過ぎていると思う」と、新たな林道建設に疑問を投げ掛けた。
県は学識経験者へのヒアリング結果を匿名で公表。森林緑地課は「（林道事業の必要性について）県民に対して周知していかないといけない」とし、「地域振興や雇用確保（の目的）もある。
自然保護との兼ね合いも見ながらやっていきたい」との考えを示している。
県は、楚洲仲尾線など５つの路線計画予定地内で昨年から今年にかけて環境調査を実施。ノグチゲラやヤンバルクイナなど１２９種の希少動植物が確認された。
現在、調査結果を公表して県民意見を募集しており、今月下旬に開く県林道建設環境調査検討委員会（委員長・新里孝和琉球大農学部教授）に提出する。（外間聡）
最終更新:12月14日10時35分