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大戸川ダム「継続こだわりに疑問」 滋賀県会 知事、公共事業で
12月9日23時9分配信 京都新聞
大戸川ダム（大津市）建設中止を求める知事意見案について、嘉田由紀子知事は９日の県議会答弁で、
「国が一度凍結の方針を出したダムを、（すでに整備した分が）もったいないと継続することが社会的に許されるのか、議論が必要」と述べ、継続にこだわる国の公共事業のあり方に疑問を投げ掛けた。
同ダム事業は、国が２００５年に多目的ダムから利水撤退して一度は凍結方針を出したが、事業費１０８０億円のうち６００億円が支出済みとなっている。
嘉田知事は「国自身もいったん経済的に見合わないと判断した。（残り事業費の）４８０億円を入れることは、もっと、もったいなくならないか」と指摘した。
ダム中止後に予定地の整備事業を継続できるかどうかの見通しについても、嘉田知事は４府県知事で一致しているとしたうえで、
「国に公共事業を見直しながら次の時代に対応する（事業撤退に伴う）ルールづくりも提案している」と強調した。
また、ダム建設にこだわる国の方針に沿わずに京都、大阪の両府知事と直接協議をした結果、「（懸案だった）大戸川の改修に合意できたことは県民の利益を得られた」とした。
■建設推進を可決 大津市会
大津市議会は９日、嘉田由紀子知事が県議会に提案している淀川水系河川整備計画に対する知事意見案の撤回を求める意見書と、国に大戸川ダム建設推進を求める意見書をそれぞれ可決した。
同日の一般質問でも、「ダム推進」を訴える質問が相次いだ。
知事意見案撤回を求める意見書は、ダム建設の事実上の中止を求める知事意見案について「流域住民の思いに対し、無責任きわまりない内容」と批判。
撤回したうえ、計画案を支持する市町長の意見と流域住民の思いを尊重した内容に改める－などを求めている。
両意見書の採決では、自民、公明系会派のほか、県議会ではダム計画に反対の立場をとる民主・連合系会派の市民ネット21が賛成。
ともに賛成２８、反対１１で可決した。
答弁で目片信市長は「抜本的な治水対策が県から示されない限り、ダム建設以外に策はない。早期完成へ向け、あらゆる努力を行っていきたい」と強調した。
最終更新:12月9日23時9分