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揺らぐダム：川辺川ダム巡り火花 知事と国会議員が意見交換 ／熊本
12月1日16時1分配信 毎日新聞
蒲島郁夫知事ら県幹部や村上寅美県議会議長と、県選出国会議員の意見交換会が３０日、熊本市内のホテルであった。
蒲島知事が９月に建設反対を表明した川辺川ダム（相良村）問題を巡り、建設予定地の地元・５区選出衆院議員の金子恭之副国交相と蒲島知事、村上議長が火花を散らせる場面があった。
衆参全議員が出席した。川辺川ダム問題では、金子副国交相が「９月の知事表明に敬意を表する」と発言。だが、蒲島知事と金子一義国交相が１０月２８日の会談で合意した「国と県による協議の場の設置」について
「国からは（協議の場の）参加者などを提案しているが、いまだに設置されないのは残念。先延ばしは良くない。県は国への依存が強いようだが、知事のリーダーシップで提案してくれるならば、国も対応する」と述べ、県の対応を暗に非難した。
これに村上議長が「ダムの是非について（知事と）我々とはやや考えにズレはあるが、すでに知事の判断が出た。国こそこれ以上、時間をかけずに早く判断を示すべきだ」と強い口調で反論した。
蒲島知事も「ダムを前提にしないで（水没予定地の）五木村振興に国費を出すことは、官僚的には難しいかもしれない。しかし、金子国交相は、五木を見捨てないと言った。財務省と国交省の間で話が進まないならば、政治的な決断しかない」と訴えた。
五木村の基盤整備はダム建設を前提にした財源措置のため、ダム計画が消えた場合は法制度上、財源確保が困難との考えが国側にあることを、知事は念頭に置いている。ある県幹部は「知事は相当イライラしている感じだ」と漏らした。
２人の反発に、金子副国交相は慌てて「五木村を振興しないと言っているわけではない。県も国と一緒にやりましょうということ」と釈明した。【笠井光俊】
１２月１日朝刊 最終更新:12月1日16時1分