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揺らぐダム：「荒瀬ダム撤去」訴え噴出 知事が現地入り ／熊本
11月8日16時1分配信 毎日新聞
◇「ダム湖の水質改善する」
県営荒瀬ダム（八代市坂本町）の撤去凍結問題で、蒲島郁夫知事が地元住民の意見を聞く公聴会が７日夜、同町中津道の社会教育センターであった。
６月４日の凍結方針表明後、知事が地元に入るのは初めて。
知事は改めてダム存続を訴えたが、集まった約１７０人の住民からは撤去を求める声が相次いだ。【笠井光俊】
蒲島知事は撤去凍結の理由について「ひとえに県財政の厳しさから」と説明した。
住民は「約５０年前にダムを造る時は、ばら色の未来があるかのような説明ばかりだったが、地元にはまったく利益がなかった」
「ダムによって洪水が起きたことを知事は知っていたのか」
「ダム湖にたまったヘドロなどで環境は破壊された。球磨川が宝ならば、ダムを撤去すべきだ」
などと問い質した。
また「たくさんの『ハコモノ』を建設し続けてきたことが県財政を悪化させたのに、そのツケを坂本町の住民に押し付けるな」という意見も出た。
撤去を求める住民団体や川辺川ダム計画に反対する市民団体も約１万１０００人の署名を提出し、改めて撤去を求めた。
蒲島知事は「存続と決まったら、ダム湖の水質を改善する。洪水対策で家屋や道路のかさ上げを行い、堆砂（たいしゃ）も除去して安全、安心な生活を保障したい」と繰り返した。
蒲島知事は、１１日の県議会臨時経済常任委員会で発表される庁内プロジェクトチームの検討結果を受け、１２月までに存廃を最終決断する。
１１月８日朝刊 最終更新:11月8日16時1分