07/05/11 00:42:26
・米Nike社は4月、渋谷に屋外広告を掲載した。この広告は、ブレーキのない競技用自転車を
手にした若者たちの写真に「ブレーキなし。問題なし。」というコピーが書かれたものだった。
即座に、日本で最大かつ最も有力なネット掲示板、『2ちゃんねる』の「自転車」板で猛烈な
議論が始まった。掲示板メンバーはすぐに、Nike社、警視庁、経済産業省などに対し、
一斉に抗議の電話をかけ始めた。メンバーは関係者に、ブレーキのない自転車で下り坂を 駆け下りることの危険性について懇切丁寧に説明。48時間も経たないうちに、広告は撤去された。
2ちゃんねるは、日本的なネット上の現象だ。このサイトが日本の世論に対して及ぼす影響力は
総理大臣、天皇、既存のマスコミを合わせたよりも大きい。2ちゃんねるは、製品のレビューを
読む、ソフトウェアをダウンロードする、大便の大きさからクイズ番組での解答まで、ありと
あらゆるものを比較するといったことが可能な、愉快で有益な場としても機能している。
その一方で、ここに書き込まれた会話がもとで株価に影響が出たり、慈善を目的とした集会が
開かれたり、大規模なコスプレダンス集会が秋葉原の歩行者天国で開かれたり、テロ行為が
食い止められたり、自殺者が出たりすることもある。
日本のネット文化をテーマにした著書もある鈴木謙介氏は、「2ちゃんねるは、すべての個人に
潜む赤裸々なヒロイズムを刺激する」と語っている。「こうした状態には危険が付きまとうが、
所属するコミュニティーの制約により、普段の生活では本当の感情を表現できない場合、
2ちゃんねるの役割は本当に重大だ」
2ちゃんねるコミュニティーは、匿名性がもたらす無秩序な混乱の場であり、日本人にとっては
厳格で型にはまった日常生活から解放される場となっている。2ちゃんねるは1999年5月、当時
アーカンソー州の大学に通っていた西村博之氏が、大学の寮で立ち上げたのが始まりと
言われている。2ちゃんねるには管理体制はない。何人かのユーザーがボランティアで
「削除人」になり、その緩やかなガイドラインに外れた投稿を削除しているだけだ。(>>2-10につづく)
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