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4月15日 朝日新聞 声
行政に表現規制与えるな 会社員 山崎永理 (東京都足立区 27)
子供が目にする漫画などの性的、暴力的描写など内容の規制をめぐる東京都青少年健全
育成条例の改正案について、漫画家の竹宮恵子氏と歌手のアグネス・チャン氏の論争(9日
朝刊)を読みました。アグネス氏の子供を守らなければ、という誠意は否定しません。で
すが、法の力で表現規制に及ぶのはやりすぎです。竹宮氏の言葉にあるように。個々に行
き過ぎた作品があれば、法律や条令で規制するのではなく、表現者側と父母の方が話し合
い対応策を練るべきです。
今回の改正案で、真に問題なのは、漫画をはじめとする表現物の内容の良否判定に、東
京都という行政が権力を持つことと、都民はある表現物が、不健全と思えば都に申し込み
出ることができるという、いわば相互監視を進めていることです。さらに、判断基準があ
いまいな条文により恣意的運用が可能であることです。
拡大解釈できる条文がどのように運営され暴走し国を自滅させるか、戦前の治安維持法
が証明したのではありませんか。第二次世界大戦に向かう空気を知っている高齢の方が表
現の自由や、通信の秘密は何よりも守りたいと考えておられると聞きました。この改正案
は一部の表現者の問題ではなく、民主主義の存続にかかわる問題だと思うのです。