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産経抄 11月15日
東京・赤坂のサントリーホールは、しばしば大きなクラシック音楽会などに利用される。
その都内有数のホールが昨日、文字通り万雷の拍手に包まれた。オバマ米大統領
がアジア政策に関する演説を行い、拉致問題の解決を訴えた場面である。
▼対北朝鮮政策に触れた中で「北朝鮮と近隣国の関係改善は、日本人拉致被害者
の家族が完全な説明を受けるのが前提だ」と述べた。これほど明確に日本の立場を
支持する言葉はあまり聞いたことはない。音楽会のカーテンコールにも勝る拍手が起
きたのは当然のことだ。
▼会場にはこの日77歳の誕生日を迎えた横田滋さんと妻、早紀江さんら拉致被害者
の家族の姿もあった。しかも今日15日は2人の娘、めぐみさんが非情にも北朝鮮に連
れ去られた日である。大統領がそのことを意識していたかはともかく、家族たちにも心
強く聞こえただろう。
▼だがこの演説の席に日本の鳩山首相の姿がなかった。前日の首脳会談などを終え
た後、大統領を残しシンガポールに出発してしまったためだ。そのことは日程の都合で
仕方ないとしても、気になるのは鳩山首相らが大統領の発言をどう受けとめるかだ。
▼鳩山政権の拉致問題への取り組みはいまだに具体的でない。首脳会談でも日本の
方から議題にしなかった。しかも複数の韓国メディアは、政権を支える小沢一郎民主党
幹事長が韓国政党代表との会談で「拉致問題にこだわらず北朝鮮との関係改善を」と
述べたと報じた。
▼民主党は発言を否定しており、そう信じたい。だが米国の大統領があれだけの発言
をしているのに、拉致解決に動き出さない。そのうえ、給油支援など米側への協力は拒
否する。というのなら、国際的には「恥知らず」と言われかねない。