産経抄ファンクラブ第127集at MASS
産経抄ファンクラブ第127集 - 暇つぶし2ch654:文責・名無しさん
09/11/13 06:47:51 QJ8rSsYhP
産経抄                                        11月13日
「おばはん、頼りにしてまっせ」。映画『夫婦善哉』のラストシーンで、森繁久弥さんが
演じるダメ男柳吉が蝶子にいう名セリフ。その印象が強烈だったので、芸能界の大御
所となって、尊敬を集める姿に今一つなじめなかった。
▼作家の久世光彦(くぜ・てるひこ)が、森繁さんに聞き書きした『大遺言書』シリーズ
(新潮社)を読んで、初めて名優の実像に触れた気がした。久世と森繁さんとの出会
いは、テレビドラマ『七人の孫』を演出した40年以上前にさかのぼる。
▼後に名コンビを組む向田邦子を紹介されたのも、このころだった。向田のエッセーに
も、森繁さんはしばしば登場する。艶聞(えんぶん)の絶えなかった森繁さんと向田の
仲を実はほんの少し疑っていた。それが晴れたのは、向田が急死してからだ。「森繁さ
んが声をあげて泣いた。〈男と女〉の、男の泣きではなかった。〈親〉の涙だった」という。
▼その久世も3年前に世を去った。10日、96歳の大往生を遂げた森繁さんは今ごろ、
先に旅立った夫人や長男、かつての仲間たちと、ひさしぶりに話がはずんでいることだ
ろう。久世によると、旧満州で終戦を迎え、悲惨な体験をした森繁さんは、徹底した戦
争嫌いだった。
▼それでいて、戦後、好戦詩人として非難された大木惇夫の「戦友別盃の歌」を愛して
やまなかった。スポーツの国際大会で日本選手が「君が代」を歌う姿に満足し、祝日に
は、玄関に大きな「日の丸」がはためいていた。皇太子ご夫妻に愛子さまがお生まれ
になった日も、もちろん日の丸を立てた。
▼昭和天皇に愛子さまを見せたかったと、「まるで身内みたいに悔しがった」。だから、
きのうの天皇陛下在位20年を祝う日を迎えられなかったことだけが、心残りだったかも
しれない。


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