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産経抄 11月11日
「冬の賞与最低36万6千円」の記事に嘆息していたら、脳科学者の茂木健一郎さんが
約4億円の申告漏れを東京国税局に指摘されていたとのニュースが飛び込んできた。
あまりに忙しくて本の印税やテレビの出演料などの収入を一切申告していなかったん
だとか。
▼茂木さんは、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」でゲストの話をうまく引き出
しているが、税務署からカネを引き出されるのはお好みでなかったらしい。「儲(もう)け
脳」は発達していても所得には税金がかかるという「常識脳」は欠けていたようだ。
▼カネというものは、少ないところはよりなくなり、あるところにはより集まる習性がある。
きのうの参院予算委員会に出席した鳩山由紀夫首相の答弁を聞いているとつくづくそう
思った。
▼親子4代にわたって国会議員を輩出している鳩山家には「六幸商会」なる資産管理
会社がある。首相は、会計事務担当者だった当時の秘書が、六幸商会から6年間で3
億円引き出していたことを明かした。それでも鳩山家の家産が傾いたとは聞かないから
立派なものだ。
▼金持ちだから庶民の気持ちはわかるまい、なんてケチなことはいわない。だが、外交
もカネをバラまけば解決できると安易に考えていないか。政府は、アフガニスタンに5年
で4500億円支出するとの支援策を決めたが、天下の愚策だ。
▼近く撤収するインド洋での自衛隊の給油活動は年69億円で済んだが、各国から感謝
された。4500億円は大金には違いないが、目に見える貢献からはほど遠い。第一、そ
んなカネがあれば、景気対策にまわすべきだろう。きょうから税を考える週間である。自
衛隊派遣がイヤだというだけで貴重な血税を無駄に使ってほしくない。