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特撰産経抄
2001年 7月 4日
沖縄・北谷(ちやたん)町の米兵による女性暴行事件が波紋を広げている。人権をじゅうりんす
る性暴力には腹の底から怒りをおぼえるし、沖縄の人びとの痛苦には心から同情する。断じて
許していい問題ではない
▼しかし、とここで腰を落としてものをいわなければならないのが悲しい。事件を報じる一部新
聞にはここぞとばかりに「だから基地はなくさなければならぬ」といった感情的な報道があふれ
ている。しかし「米兵は帰れ」「基地は撤廃を」といった政治的イデオロギーむき出しの短絡した
主張には、賛成することはできない
▼そういう新聞報道によると、いまの沖縄はあたかも百鬼夜行の無法地帯であるかのごとくだ。
米兵による強姦や暴力事件がまるで日常茶飯に繰り返されているかのようである。その鬼の首
でもとったかのような報道姿勢には、首をかしげないわけにいかない
▼首をかしげるといえば、この暴行事件にはわからないことが多い。事件の発生は夜中の午
前二時すぎ。容疑者の米兵は被害者の二十代の女性と同じ飲食店で飲んでいた。そして外へ
出た女性のあとをつけ、車におしつけるようにして暴行したという
▼ところが米兵は「合意の性行為で、暴行ではない」と供述しているそうだ。このへんもよくわか
らないが、午前二時という犯行時刻といい、犯行の場所や状況といい、特殊なものがある。平成
七年におきた小学生女子への暴行事件とは少し様子が違うだろう
▼だからといって許されることでは決してない(=ここは繰り返し強調する)が、ひょっとして被
害者の側にも何か誤解されるようなことがなかったかどうか、今後の防犯のためにも検証したほ
うがいい。性犯罪はきれいごとでは防止できないのである。