産経抄ファンクラブ第127集at MASS
産経抄ファンクラブ第127集 - 暇つぶし2ch450:文責・名無しさん
09/11/04 05:35:52 NpXnVRnY0
【産経抄】11月4日
鹿児島空港の送迎デッキに立つと、ほぼ正面に霧島連峰の山々が目に入る。標高は最高でも1700メートルで
北アルプスなどに比べるといかにも穏やかな稜線(りょうせん)に見える。しかし、近づいたり登ったりした人は、
その意外な険しさに驚くそうだ。

▼司馬遼太郎さんの『竜馬がゆく』によれば、鹿児島を「新婚旅行」で訪れた坂本竜馬は、新妻のおりょうと
ともに東の主峰、高千穂岳に登っている。天孫降臨を示す頂上の「天の逆鉾(さかほこ)」を見るためだ。
だが寺田屋事件の傷がまだ癒えない竜馬には厳しい登山となった。

▼特に頂上近くには大きな噴火口が待っている。その縁(へり)を歩く感じの馬背越(うまのせごえ)は難所中の
難所だった。小説ではここで突風を受けて転んだおりょうを、竜馬が抱き留めている。姉の乙女にあてた手紙でも
「道ひどく女の足にはむつかしかりけれども…」と書いているという。

▼高千穂岳と並ぶ西の主峰が韓国(からくに)岳である。この山にも頂上の噴火口や、火口に水がたまった池など
があり、山容を複雑にしている。その韓国岳の山中で宮崎市の11歳の少年が死亡した。両親や祖父、妹と一緒に
家族登山にきていて、ひとり迷子になっていたのだ。

▼死因は低体温症だという。急な斜面を滑り落ちてケガをし、動けないまま夜の冷え込みに命を奪われたらしい。
何とも痛ましい事故である。少年の家族には酷であることを承知でいえば、山国に住む者としてもう一度、山の
怖さを考える機にしなければなるまい。

▼霧島連峰のように険しくもない近所の山でも、一度迷い込んだら命取りにもなる。かつて大人たちはその怖さを
物語などにし、子供たちに教えてきた。都会生活者が大半を占めるようになった今、日本全体にその意識が希薄に
なってきた気がする。



次ページ
続きを表示
1を表示
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch