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【産経抄】10月28日
つい最近もテレビドラマ化された城山三郎さんの「官僚たちの夏」に印象的なシーンがある。
ミスター通産省と呼ばれた佐橋滋氏がモデルの風越信吾秘書課長が、官僚の名前を書いた
トランプ風のカードを自分でつくり、机上で文字通り人事カードを切る場面だ。
▼人事に強いこだわりを持ち続けた風越は省内で辣腕(らつわん)を振るっていく。いまの
民主党で人事カードを切っているのは、党代表である鳩山由紀夫首相ではなく、小沢一郎幹事長である。
▼かつて小沢批判を口にしたことのある渡部恒三氏(77)は最高顧問のポストをはずされた。
小沢氏は「渡部先生はまだまだ現役で、前線でやれる」と語るが、無役の一兵卒でがんばってみろ、
ということだろう。
▼小沢氏の人事権は、党と国会ばかりでなく政府にも及んでいる。政府の行政刷新会議内に
設置され、スタートしたはずの「事業仕分けチーム」の作業がストップした。事前の根回し
なく14人の新人議員をメンバーにいれたのが、小沢氏の勘気に触れたんだとか。
▼あわてた平野博文官房長官が、「申し訳ありません」と平身低頭して仕切り直しとなったが、
それでいいのだろうか。本来は、党首が幹事長に一言いえば済む話だ。民主党がマニフェスト(政権公約)に
掲げた「政策決定の内閣への一元化」は、「権力の党幹事長への一元化」と修正した方がいい。
▼ ミスター通産省は、適材適所の人事によって役所の体質を強化し、最良の政策を実現して
国家に貢献しようという信念を持っていた。人事権を掌握した小沢氏は、巨大な力をどこに
向けようとしているのか。もしやとは思うが、来年夏の参院選に勝利するためだけだったとしたら、
政治の風景はあまりにも荒涼としたものになる。