09/12/16 07:30:35 +VFoQpIq0
社説
天皇会見 政治問題化はおかしい(12月15日)
中国の習近平国家副主席は、きのうの鳩山由紀夫首相との会談に続き、きょう天皇陛下と会見する。
それに対し、天皇の政治利用ではないかという強い批判が噴き出してきた。
外国要人の天皇会見は1カ月前までに申し入れるという慣例を逸脱している-との理由による。
冷静に考えてみたい。内閣は自らの責任で会見を受け入れた。
確かに、公式な要請が届いたのは会見まで3週間もない11月26日だった。宮内庁は「ルール違反」として
断る意向を伝えたという。
それでも中国は「ぜひに」と、繰り返して会見を求め、最後は鳩山首相の決断で決まった。
問題があるとすれば、陛下の健康不安である。公務の負担軽減には内閣も配慮しなければならない。
だが「1カ月ルール」は絶対条件だろうか。少なくとも内閣の意思より優先するものではない。
ただ、内閣の意思決定は遅れた。不手際として反省すべきだ。羽毛田信吾宮内庁長官が政府に対する不満を
語ったのは異例だろう。
自民党は「天皇の政治利用だ」と反発している。政府の一部にも「今からでも会見を中止する方がいい」との
声が公然と出てきた。
しかし、首相は「日中関係を発展させる意味があり、判断は間違っていない」と強調している。
中国の国家指導者が来日して天皇に会う意義は大きい。日本と中国の経済関係は切っても切れないほど
深まってきた。政治や文化、国民間の交流も着実に前進している。