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【産経抄】9月3日
明治時代に大ブームを巻き起こしたもののひとつに、羽織姿の年若い女が語った娘義太夫がある。
聞かせどころの「さわり」になると、伸び上がって髪を振り乱す。その拍子にかんざしが落ちる、色っぽさ
が魅力だった。
▼このとき、客席から「どーするどーする」と掛け声をかけるのが、「どうする連」と呼ばれた書生たちだ。
『知られざる芸能史 娘義太夫』(水野悠子著、中公新書)によると、楽屋に入り込み、自宅まで押し
かける「追っかけ」まで現れて、世間を騒がせた。
▼総選挙の結果を受けて、共同通信が行った世論調査によると、新首相になる民主党の鳩山由紀夫
代表に「期待する」と答えた人は71・1%にも達した。全盛時の娘義太夫なみの人気を誇る鳩山氏に、
早速「どーするどーする」の声がかかっている。
▼群馬県内で建設が進む八ツ場(やんば)ダムの問題だ。総事業費4600億円のうち、すでに約3200
億円が投入された。ダム湖に架かる県道の巨大な橋脚が姿を現し、住民の移転も進んでいる。
地元の町、流域の自治体も支持するダム工事に、民主党は政権公約で、ノーを突きつけた。本当に
白紙に戻すつもりなのか。
▼樋口一葉から、夏目漱石、志賀直哉に至るまで、文豪たちにも愛された娘義太夫は、次第に
すたれていく。戦後は女流義太夫と名を変え、文化財としての性格を強めて現在に至る。
民主党の行き着く先は知らない。
▼ただひとついえるのは、「自公政権」や「官僚」批判で事足りた野党時代とは違う、イバラの道が
待っていることだ。八ツ場ダムに限らず、政権党が新政策を打ち出せば、必ず利害の衝突が生まれる。
そのたびに上がる「どーするどーする」の声に、答えを出していかなければならない。
ちなみにTwitterの件は今回も紙面でスルー。
でもmixiで職場批判した女性巡査の件は「ネットの落とし穴」とでかでかと記事にw