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【産経抄】8月24日
『学校の先生が国を潰す』。おだやかならぬ題名の本が、送られてきた。著者の
一止羊大(いちとめ・よしひろ)さん(66)=ペンネーム=は、大阪府下の公立学校の
元校長だ。学校での国旗、国歌の指導の実態を知ってもらいたいと、自ら印刷した。
題名には、学校の先生こそ、日本人から矜持(きょうじ)と誇りを奪った張本人では
ないか、との思いを込めたという。
▼平成10年4月に着任した学校では、最初の職員会議からして異様だった。
新任の校長を差し置いて、「議長」が冒頭にあいさつをして、審議に入った。入学
式、卒業式で、国旗の掲揚、国歌の斉唱がないこともわかった。職員会議の
多数決で決まった、というのだ。ここから、一止さんと教職員組合との壮絶な
バトルが始まる。
▼会議、校長室、自宅にかかってくる電話で、議論が続く。一止さんを誹謗
(ひぼう)する文書が「ニュース」として、定期的に全教員に配布される。保護者
にも、国旗、国歌に反対するよう呼びかけがある。教育委員会は、指導の徹底を
とはっぱをかける。
▼ところが、組合との対立の激しさを報告すると、一転して混乱を避けるように、
と腰が引けた対応になる。まさに、孤立無援の状態だった。広島県立高校の校長
自殺のニュースが飛び込んできたのは、そんな時だ。君が代をめぐる組合との
交渉に疲れていたと伝えられた。
▼「人ごとではないと思った」と述懐する。一止さんの兄は、海軍の予科練に
入り17歳で戦死している。その話を聞いた女性教員は、「先生のお兄さんも侵略
者だった」と言い放ったという。
▼「だから、国旗を切り刻んでもなんとも思わない人が現れても、驚きません」
と、一止さんは電話で話す。「戦後60年以上たって、本当の敗戦の日を迎えて
るんじゃないですか」とも。