産経抄ファンクラブ第122集 at MASS
産経抄ファンクラブ第122集 - 暇つぶし2ch256:文責・名無しさん
09/08/10 06:16:30 1NlE1J5X0
産経抄                                         8月10日
3日付のコラムで、台湾でいまも使われている漢字の「正体字」が、中国で見直されつ
つある、と書いた。そんな動きに日本だけが無縁である、とも。すると先日、「産◎抄擔
當(たんとう)●■」あてに、手紙が届いた。
▼小紙に掲載されるせめて1本のエッセーでも「正▲字正假名」にならないか、という
のだ。差出人は、福島県会津若松市の眼科医、米山高仁さん(56)だった。「談話室」
の常連執筆者の一人だから、名前に覚えがある。
▼米山さんが、歴史的仮名遣いや正漢字を使うようになったきっかけは、50歳ごろから
始めた俳句や短歌だった。生まれ育った祖父の代からの医院には、戦前に出版された
雑誌や本が多数残っていた。子供のころから、それらに親しんできたから、違和感はな
かったものの、正しく使うのは難しい。
▼米山さんは『★(きゅう)漢字』(萩野貞樹著、文春新書)を教科書にして、毎日1ペー
ジずつ書き写し、巻末の「正漢字表」を切り取っていつも見ているそうだ。「正漢字の練習
は、脳の老化予防にもなると思います。画数が多いから、視細胞が刺激されるし、指の
運動も多くなる」と話す。
▼最近では紹介状など仕事の文書も、正漢字で通している。ただ、所属していた短歌誌
は旧漢字を認めなかった。「なよ竹の風にまかする身ながらもたわまぬ◆のありとこそき
け」。戊辰戦争で自刃(じじん)した西郷千重子(家老、頼母(たのも)の妻)の辞世をここ
で思い浮かべるのが、いかにも会津っぽらしい。
▼節を曲げることはできない、と短歌会を辞したのはいうまでもない。「戦前の『醫學(い
がく)』には威厳と権威がありました」ともいう。なるほど、モンスターペイシェントといわれ
る患者の出現も、漢字の簡略化と関係があるのかもしれない。

◎=経の旧字体
●=者の旧字体
■=様の旧字体
▲=漢の旧字体
★=旧の旧字体
◆=節の旧字体


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