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「ステレオタイプの関西のイメージを変える」
■黒田勇
URLリンク(www.kepco.co.jp)
「大阪といえば、たこ焼き・粉もん」「関西人はせっかちで、傍若無人で、品がない」─そんなステレオタイプの関西イメージが世にはびこっている。
しかしこれは決して実態ではなく、メディアによってつくられたイメージだ。
日本のテレビ文化は1980年代以降、バラエティ化が進んだ。
事実よりも「面白さ」が受ける風潮のなかで、関西の芸人が東京のマーケットに進出し、受け入れられた。
多くの芸人が、関西自体を笑いの対象としたこともあって、関西は笑い者にしていい存在として認知されるようになる。
そんな暗黙の了解の下、東京で面白がられる関西イメージが形成されていった。
例えば「大阪人はせっかちだから、歩くスピードが速い」という話は、もはや定説のようになっているが、
その根拠とされているデータの信頼性は不確かだし、その後さまざまな研究者が行った調査でも、大阪人の歩行速度が格別速いという結果はない。
そう表現した方が面白いから、それに見合うデータをもってきているに過ぎない。
また十数年前、大阪の駅に、小銭を一度に何枚も入れられる券売機が日本で初めて設置されたとき、
「大阪人はせっかちだから」そんな機械が登場したと言われた。「大阪はモノづくりの盛んな街だから」
「進取の気性に富んでいるから」といった解釈もできるのに、それでは面白くないから、そういった説明はなされない。
それでも、ひと昔前までは、東京のメディアが描く関西に対して「こんなのは本当の関西じゃない」と反発する学生が多かった。
しかし今の若者は「これが関西・大阪やん」と自分の姿を自分で見ずに、
メディアを通して見るようになり、若い関西人の間に、つくられた関西イメージが定着してしまっている。
こうした一面的なイメージ形成は、主として東京のメディアが行ったが、
残念なことに関西のメディアもそれを受け入れ、ステレオタイプイメージを増幅させていった。
東京が期待する「関西イメージ」にあわせた方が売れるからだ。