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◇「左側を追い越してください」…従ったら衝突
海上自衛隊の護衛艦「くらま」(5200トン)と韓国船籍のコンテナ船「カリナスター」(7401トン)の
衝突事故は、関門海峡などの「狭水道」での危険性を改めて示した。事故原因については
第7管区海上保安本部に所属する機関「関門海峡海上交通センター」から韓国船への「助言」を巡り、
7管と韓国側の見解が対立。海保や運輸安全委員会の判断が注目される。
10月27日夜の事故直前、海上交通センターの管制官は韓国船に対し、低速のため接近していた
前方のパナマ船籍の貨物船(9046トン)を追い越すよう「助言」した。現場は右側通行がルールで、
助言に従い左側から追い越そうとした韓国船が、左前方から対向してきた護衛艦と衝突した。
助言について7管は「権限がないので『指示』ではない。船には従う義務もない」と説明。
「レーダーに映らない小舟もあり、追い越しの是非やタイミングは最終的に船長が判断すべきだ」とし、
管制官の過失の有無については「捜査の中で明らかになる」と話す。
これに対し、カリナスターを所有する南星海運は、船長からの報告を基に「右側から追い越そうと
針路を変えたが、左側から追い越すよう管制官から『指示』され、従ったら事故に遭った」と主張。
「船長は韓日航路で20年以上の経験があるベテラン。(当局の)調査を待つしかないが、
我々としては船長の報告を信じている」と語る。
7管が「指示」ではなく「助言」とする根拠は、来年7月までに施行される海上交通安全法と港則法の改正。
改正で「助言」は「勧告」に強化され、従わないと罰則はないものの、船舶側は民事訴訟になった
場合などに重い責任を負う可能性がある。センターの現在の「助言」に拘束力がないことを裏付ける。
とは言え、助言については7管自身が「事故の一因になったことは否定しない」との立場。また、
韓国船の前方にいた貨物船がルール通りの右側ではなく中央部を航行していた疑いも浮上。
海保の捜査や運輸安全委員会の調査では、事故当時の正確な状況の解明とともに、
助言を巡る判断が焦点となりそうだ。