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「ダム以外かなり困難」 昨年の知事答弁、解釈焦点に
7月8日9時49分配信 京都新聞
大戸川ダム（大津市）建設の是非をめぐり、大戸川の治水を「ダム以外はかなり困難」とした嘉田由紀子知事のかつての議会答弁の解釈が、開会中の６月定例県議会で焦点となっている。
ダム建設に慎重な嘉田知事が先月、下流の治水効果が見込めなければ大戸川でダム以外の治水が必要－と軌道修正したことに対し、建設を求める会派の議員は「詭弁（きべん）だ」と批判を強めている。
７日の一般質問で、家森茂樹議員（自民党・湖翔クラブ）は過去の知事答弁について「ダムの有効性と、代替案がないことを認めたはず」と指摘、「議会答弁の軽視あるいは無視だ」と迫った。
これに対して、嘉田知事は「あくまで下流の洪水調節のためのダムであるという前提での答弁だった」と説明したうえで、「その前提がなくなれば、大戸川の治水対策の検討が別途必要となる」と重ねて主張した。
嘉田知事は昨年２月の県議会で、貯水池や家屋のかさ上げなどダムによらない治水対策は「かなり困難」と答弁していた。しかし、先月２７日の本会議では、答弁を軌道修正したうえで、大戸川の治水代替案の検討を始めたことを明かした。
大戸川ダムについては、近畿地方整備局の諮問機関・淀川水系流域委員会が下流の治水効果が疑問だとして「建設の必要性を認められない」と主張している。嘉田知事はその方向性に沿って、ダム建設に慎重な考えをにじませたとみられる。
一方、同クラブは昨年の知事答弁を「ダムは必要」との見解と受け止め、ダム計画を盛り込んだ河川整備計画原案に疑問を示した嘉田知事に対し、ぶれを指摘する申し入れを行うなど、知事の消極姿勢をけん制している。
家森議員は、県ホームページに掲載している「いくつかのダムタイプの検討を国に提案する」との矛盾も指摘し、今後も嘉田知事の姿勢の整合性をただしていく姿勢を鮮明にした。
最終更新:7月8日9時49分