08/04/10 19:21:40 8Nv/eAnuO
>>489
◆日本人は公共サービスの受益と負担について理解が足りない
「税金は直接に、われわれ国民の負担になります。ところがその一方で、公共サービスは国民一般に及ぶだけに、個々人ではその受益を個別に感じられません。
そこで税負担を極力低く、受益だけはできるだけ多く確保したいという態度を取りがちとなります。
私の見る限り、『この受益と負担の間に密接な関係があるのに、日本人はどうも欧米人と比較すると、両者を結びつけて考えない傾向があるように思えます。』
納税者のことを、英語でタックスペイヤーといいます。その背後には、日本語では納税者は単に税金を納めるだけの人の意味に取られがちですが、欧米では違います。
つまり税金を納め、その使途を監視するという意味を持ちます。必要な公共サービスのためなら税金を進んで支払うという姿勢になります。
ところがこれに比べ日本ではよく、税金を「取られる」というように、支払った先の税金が何に使われるかに、国民はほとんど関心をもちません。
『だから選挙の時に、スローガンとして「増税反対、歳出削減反対」を訴える政治家が容易に当選することになります。
増税に反対するなら、当然歳出削減に賛成せねばなりません。』
この矛盾した態度が財政赤字の累増につながり、将来世代へ借金の負担を押し付けているのです。
『かつてドイツに財政赤字の調査に行ったときに、日本におけるこの政治スローガンについて話をしたら、ドイツではこんな政治家は絶対に当選しないといっていました』」
by 放送大学学長 石弘光 2008/04/01 視点・論点「租税教育の重要性」