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「被害者名」記し批判/産経・世界日報にチラシ
二十二日に県内で宅配された産経新聞と世界日報の折り込みチラシに、米兵による暴行事件の被害者の
実名とも読める氏名を記載して被害者を批判する文書が含まれていたことが分かった。チラシの折り込み
を依頼した国旗国歌推進県民会議の惠忠久会長は「氏名を記したのは軽率だったかもしれない」と話し、
世界日報は販売店にチラシの回収を命じた。
チラシには被害者を批判する文章のほか、「県民大会を開かせるな、自民党、公明党は絶対に参加すべき
ではない」などとした惠会長の主張がA4紙二枚に記されている。惠会長は、数百部を同日の両紙朝刊に
折り込むよう販売店に依頼したという。記載された名前は実名ではないが、惠会長は実名かどうか把握して
おらず、「チラシはある文章を引用して作ったが、名前を記すことの意味はよく考えていなかった。被害者
の人権を指摘されれば多少、軽率だったかもしれない」と述べた。
沖縄タイムスの取材に対し、世界日報の黒木正博編集局長は「同日夕方ごろ、沖縄の販売店から報告を
受けた。不穏当な表現だと考え、すぐに回収を命じた」と話した。
産経新聞社大阪本社の広報担当は「折り込み広告は販売店が判断して入れている。公序良俗等に反する
ものは控えるよう販売店には言っている。内容の確認をしていないが、もし事実なら遺憾に思う」としている。
県人権協会の永吉盛元事務局長は「被害者である、という立場をまったく理解していない。本当に実名を
出していたとしたら、甚だしい人権侵害で悪意に満ちた態度だ」と憤った。「言論の自由があると言うかも
しれないが、私たちの社会で到底許されるものではない」と述べ、強い抗議が必要との認識を示した。
URLリンク(www.okinawatimes.co.jp)