08/02/21 19:01:16 Th/ZI13t0
テレビでは、専門家が相も変わらず的外れな説明を展開している。
だが、真相は実に単純なことである。
互いの船は少なくとも5マイル手前で互いの位置をレーダーによって確認していた。それにも拘わらず衝突は起こり犠牲者がでた。
釣り船で浦賀水道を横切った経験があれば、今回の事故の原因が直ぐに納得できるだろう。
単縦陣で航行する護衛艦や大型船の直前を身軽な小型漁船が、横切ることは日常茶飯事に起きている。多数の小型船舶が行き交う海域で大型船が、無闇に回避行動を取れば反って危険が増幅する。
もしも衝突コースに入れば、小型船がエンジンを絞れば喩え20ノットでも忽ち停船できる。競艇を見れば解るが、それ程、水の抵抗は重く大きい。
法規がどうであれ、大きさが極端に違う場合、慣性質量の大きい大型艦が回避運動をすることは事実上できない。
漁船はPPIスコープの反射の大きさから相手が大型船であると判断した。そして大型船ならば船足が遅いと考えて、直前を横切れると判断した。だが、この判断も無理はない。そして双方が同じ判断をした。
この海域を航行する大型の高速コンテナ船の速度は概ね15ノット程度だが、『あたご』は17ノットで航行している。2ノットの差が漁船の明暗を分けたのかも知れない。
このままでは衝突する危険があると判断した『あたご』は約500フィート手前でプロペラピッチを反転し、機関出力を最大にして急制動を掛けた。然し、不幸にして事故は起きた。
誤解されているようだが、プロペラを逆転することはない。
『あたご』には最新の可変ピッチプロペラが装備されている。
自衛艦を悪者にすれば、気分が良いかもしれないが、それに拘ると真実が見えなくなる恐れもあるのではないか?