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ウィキペディア「信憑性に疑問」 教科書会社が使用中止検討明かす
3月27日16時5分配信 J-CASTニュース
高校の英語教科書にウィキペディア出典の図を使う予定だった出版社が、J-CASTニュースの取材に、出典先を変えることを検討していることを明らかにした。
誰でも編集でき正確さが保証されないウィキペディアについて、生徒にその信憑性が誤解されかねないことから判断したという。
■文部科学省は出典として認める
教科書を編集したのは、大阪市の出版社「増進堂」で、2009年度からの使用を目指し、文部科学省に検定を申請した。
同省は08年3月25日、ウィキペディアの「死刑」項目にある「死刑制度の世界地図」の教科書掲載について、「国境線が不正確」との検定意見を付けた。しかし、ウィキペディアからの出典そのものについては認めた。
同省教科書課では、その理由について、J-CASTニュースの取材に対し、
「英語のリーディング教材で、資料そのものを学習するのではない。また、内容についても(人権団体の)アムネスティ・インターナショナルで確認している」と説明した。
この世界地図では、死刑制度のある国や廃止した国などが色分けされている。
ところが、毎日新聞が26日付記事で、ウィキペディアの出典について「安易な引用」との指摘があるとして、「文科省の判断が議論を呼びそうだ」と報じた。
また、産経新聞は、25日のネットニュースで、「ウィキペディアは最新情報が豊富な半面、正確性については『一切保証できない』とされている」と紹介した(記事はその後削除)。
千葉大の藤川大祐准教授(教育方法学)は、こう語る。
「教育現場では、情報を鵜呑みにしたり、コピー・アンド・ペーストでリポートを書いたりすることが問題になっています。ウィキペディアの図を慎重に見るようにという注釈抜きに載せるのであれば、ネット上の情報を安易に使ってもいいという誤ったメッセージになります」