08/06/03 21:01:53 BTPW2tik0
◎雨水の汚染に要注意 ホルムアルデヒド県内で基準値超え
富大大学院理工学研究部(理学)の田口茂教授(環境化学計測)の研究グループは、県内九地点で雨水に含まれる有害物質のホルムアルデヒドを調べた結果、ほとんどの地点で水道水の基準値(0・08ppm)を超えていることが分かった。
独自の測定法を開発し調査を進めたところ、平野部、山間部の両方で基準値を上回るホルムアルデヒドが検出された。今後は県外のデータも集め、汚染の範囲特定や原因追究を目指す。
田口教授らは、水中のホルムアルデヒドが化学反応して青く変色する試薬を特殊なフィルターに付着させ、色の変化から濃度を知る方法(目視法)を開発した。
さらに、変色したフィルターを溶かして機器分析(吸光光度法)し、より精密に濃度を測定できる。
大学院生の村居景太さんらは富山市の三地点、射水、高岡市と、南砺の二地点、滑川、魚津市の計九地点で、昨年の七月から各五回、雨水を採取した。
計四十五回のデータを分析した結果、0・08ppm以下だったのはいずれも九月の四地点のみだった。全地点で最高値となった十一月は、高岡市が最も高く、約0・5ppmと高濃度の値を示した。
東京都出身の村居さんは世田谷区の実家周辺で四月に採取した雨水を分析、約0・1ppmだったことから、県内が都内に劣らぬ汚染状況であることも分かった。
研究グループは今後、石川、新潟、岐阜など隣県の雨水を採取、分析する。
田口教授によると、ホルムアルデヒドは主に排気ガスから出る場合と、炭化水素などが変化を起こして発生する二通りがある。
「より多くのデータから汚染範囲を特定し、原因となる雨雲がどこでできているかも突き止めたい」としている。
田口教授は六日に富山国際会議場で開かれる富山第一銀行奨学財団研究助成セミナーの研究成果発表会で調査結果を報告する。
ホルムアルデヒド 安価なため、建材の接着剤として使用されている。濃厚水溶液(ホルマリン)は、毒物及び劇物取締法により、医薬用外劇物に指定。
WHOの下部機関である国際がん研究機関により、発がん性があると警告されている。