08/10/13 14:40:29 N+cs0fk+0
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また、「いわゆる文芸評論的な臭みを排除、というよりは嫌悪している風」とまで書いて
おいて、すぐ後に「今回のこの著作では、いくぶん文芸評論的な部分もある」と続くのも、
結局文芸評論的なのかそうでないのか聞きたくなる。
ちなみにオンライン書店ビーケーワンの「内容説明」によると、この本は「文芸評論集」。
唐沢俊一の書評にある「高度経済成長期の子供たちはなぜ、ああもチャンバラが好き」
や「1950年代末から60年代を通しての日本は、まさにチャンバラ・エージ、そしてその
ブームを陰で支えていたのが貸本屋に並ぶ多くの剣豪小説」。このように高度経済成長期
と剣豪小説の流行、貸本屋の隆盛を無理矢理ひとつの時代に押し込めるのは、唐沢が
他で発表している文章でもやらかしている、奇妙な時代認識のズレによる誤りでしかない。
貸本屋やチャンバラは、高度経済成長期がはじまる前、昭和20年代からの流行だし
(チャンバラはもっと前にさかのぼるべきかも)、高度経済成長真っ盛りの昭和40年代
には、貸本屋はもう衰退していた。
そのガセを、本の著者の主張であるかのように誤解されかねない紹介をされてしまった
『ぼくらの時代には貸本屋があった』の作者 (菊池仁) は、気の毒である。