07/12/24 06:27:09 zxrRy7eE0
産経抄 12月24日
3世紀後半から4世紀にかけ、今のトルコの大部分に当たる小アジアにニコラウスと
いうキリスト教の司教がいた。慈悲深く、親からの遺産をもとに貧しい子供たちに施し
をした。そのため死後、最高の栄誉である「聖人」に列せられた。
▼そのセント(聖)ニコラウスがつまったのがサンタクロースである。その後何故か、
オランダで子供たちの人気者となり、清教徒たちと一緒に米国に渡る。ここでクリス
マスの夜、トナカイのソリに乗ってプレゼントを持ってくるというサンタの「原型」ができ
上がったという。
▼ただオランダ時代のサンタのイメージは少し違っていたようだ。それは馬に乗った
聖ニコラウスが子供たちの行状を見て回り、行いのよい子にプレゼントをするというの
だった。つまり、子供への「徳育」として語りつがれていた面が大きかったのである。
▼サンタが煙突からやってくるという「伝説」にも理由があった。北欧などでは暖炉の
煙突を掃除するのが冬の大切な仕事だった。だから子供たちに「サンタさんがちゃん
と通れるように」と煙突掃除を手伝わせる。こちらもちゃんとした「教育的配慮」があっ
たのだという。
▼してみるといかにも、勤労や勤勉を尊ぶ清教徒の間で広まったサンタクロース伝説
だといえる。今の日本には煙突のある家などほとんどない。手伝いをしてもしなくとも、
クリスマスには高価なプレゼントがもらえる、ということになっても仕方ないのだろう。
▼だがその日本でもかつて、年末には大掃除やモチつき、買い物と、子供たちが手
伝いする機会はいくらでもあった。そのご褒美として、お年玉をもらっていたのだ。サ
ンタもいいが、そんな日本の古き良き風習を思い出してみたい気がする。
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クリスマス精神ってのは、何かの見返りに何かを与える(give and take)というビジネス
ライクな思考とは対極にあると思うんだが。