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【産経抄】12月21日
韓国の次期大統領に決まった李明博氏(66)のニックネームは、コンピュー
ターつきブルドーザーだという。かつて同じように呼ばれた日本の首相がいた
ことを思いだすが、時代も、国情も違う。経歴をみると、すこぶる有能な人で
あるようだ。
▼盧武鉉大統領は、外国指導者に、日本批判の“講義”をしたり、植民地
時代に親日だったという理由で子孫の財産を脅かしてきた。李氏は大阪
生まれだからといって、日本に特別親しみを感じているわけではなさそうだが、
少なくとも度を越した反日政策は改まるはずだ。
▼韓国の有権者は、「政治理念より経済」の観点から、10年ぶりの政権
交代を選んだという。日本でも、来年には総選挙が行われる可能性が高い。
次の政権が最優先で取り組まなければならない課題とは何か。
▼折も折、それを明確に示してくれたのが、きのうの小紙に掲載された、
山折哲雄、葛西敬之、宮家邦彦、中満泉の4氏による座談会だった。「『経済
成長率信仰』を根本的に変える必要がある」「国の公共事業で、一切新規の
建設はやらない」「先生の採用および教育予算は子供の減少に応じて抑制
する」。
▼どれをとっても、日本の生き残りに欠かせない改革案といえる。もっとも
現実には、自民党であれ、民主党であれ、公約に取り上げる気配はない。
それどころか、総選挙の足音が近づいてくれば、ばらまき政策の競いあいや、
不毛な政争が一層激しくなりかねない。
▼4氏は、小紙連載の「やばいぞ日本」を読んで、日本の危機的な状況を
再認識したという。中国の脅威が具体化するといったショック療法がなければ、
日本人は目覚めない。座談会の結論にはうなずきつつも、暗澹(あんたん)
たる気持ちにならざるを得ない。