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■「厳木町史」別の市史から無断引用 回収、再発行へ
佐賀県唐津市教委は１６日、３月に発行した「厳木町史中巻」の一部に盗用があったと発表した。
森周蔵・西九州大健康福祉学部非常勤講師（６６）＝当時特任准教授＝が執筆した部分で、
「伊万里市史」から２９カ所を無断引用していた。市教委は、寄贈、販売した４４３部を回収、再発行する。
森氏は「実力が伴わず盗用してしまった。申し訳ない」と話し、これまで執筆にかかわった
脊振村史、諸富町史、牛津町史などは「盗用していない」としている。
盗用があったのは、中巻（７１３ページ）の中世部分にある松浦党一族・鶴田氏関連の記述で、
５０ページ余りの中の２９カ所。「心境を吐露している」を「心境を隠さず述べている」と書き換える程度で、
文章の内容や展開は同一という部分が多いという。市教委は「丸写しに近く、著作権侵害にあたる」としている。
伊万里市史の執筆者が、文章が酷似していることに気づいた。１１月１３日に市教委に指摘があり調査。
今月、森氏に事実確認し、無断引用を認めたため販売を中止、伊万里市史の執筆者に謝罪した。
厳木町史の中巻は０６年４月から制作開始。委託を受けた編さん作業室が１４人の執筆者に依頼した。
森氏は中世を担当し、約１５０ページ分を執筆した。
市教委は、前回同様８００部を印刷、再発行する予定で費用は約３００万円。大塚稔教育長は
「住民から期待されていた町史がこのようなことになり誠に残念で遺憾。信頼回復に努めていきたい」と謝罪した。
2009年12月16日
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