09/11/20 21:07:35
ボクはお小遣いをためてお祭りに行き、たこ焼きを買いました。
ボクはたこ焼きが大好きなのに、近くのお店では売ってません。
だから年に一度、出店のたこ焼きを何よりも楽しみにしていました。
「へいいらっしゃい!」
出店のおじさんはパンチパーマで、ちょっと怖そうな感じがしましたが、
「8個入りのたこ焼き下さい。」
と言ったらそのおじさんは笑顔を浮かべて
「はいありがとう!」
とボクにたこ焼きを出してくれました。8個で400円でした。
出来立てのアツアツです。
ボクは早速一個、口の中にほおばりました。
ところが、そのたこ焼きの中にはタコが入っていませんでした。
「ま、まあ、たくさんたこ焼き作ってるんだから、一個くらいこういうのもあるさ」
と思い、二個、三個、、、とその都度何度もかみ締めました。
結局、ほとんどタコが入っていませんでした。
ボクは勇気を出してさっきの出店に行きました。
「へいいらっしゃい!」
出店のおじさんはパンチパーマで、ちょっと怖そうな感じがしましたが、
ボクの顔を見ると笑顔になりました。
「よお、さっきのお兄ちゃんじゃないか。」
よかった。この笑顔ならボクもちゃんと言えそうです。
「あ、あの~」
「ん?どうした?」
「さっき買ったたこ焼きにタコが入ってなかったんですけど…」
すると出店のおじさんはパンチパーマで、ちょっと怖そうな感じがしましたが、
ますます怖い顔になり、ボソっと一言だけつぶやいてボクを無視しました。
「タイヤキに鯛入っとるか?」