08/12/25 07:53:30
税財政改革 本末転倒の消費増税だ(12月24日)-北海道新聞(社説)
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国民生活にかかわる大事な問題を、どさくさ紛れで決めていいわけがない。
税財政改革の道筋を示す「中期プログラム」をめぐる協議で、与党が基本合意した。きょう閣議決定する。
焦点の消費税率引き上げについては、経済状況の好転を前提に「二〇一一年度」と明記した。
政府原案は税率上げの法制化を「一〇年」としていたが、これは削除した。
先の与党税制改正大綱では引き上げ時期の明示は見送られたが、「三年後」の増税にこだわる麻生太郎首相の意向に配慮したと言える。
政府・与党は一〇年代半ばまでに段階的に引き上げ、税率を10%程度にすることを想定しているようだ。
増え続ける社会保障費や急激に悪化する雇用情勢に対処するため、安定財源の確保は欠かせない。
その工程表を示し、いまから議論しておくことは大事だ。
問題なのは、協議が時期を書き込むかどうかに終始し、改革のあり方や増税の目的について、ほとんど触れられなかったことだ。
税財政を抜本的に改革するなら、消費税だけでなく、個人所得税、法人税などの扱いも検討しなければならない。
国から地方への税源移譲も緊急の課題だ。
政府・与党は年金、医療、介護、福祉などの社会保障や少子化対策に充てるとしているが、最初から消費税ありきでいいのか。
消費税は低所得者層ほど負担が重くなる逆進性がある。社会保障の財源として、ふさわしいかの議論もまだ整理されていない。