08/12/02 18:25:38
40年前の経済学の常識が、まだ一般に理解されていないのは困ったものだが、
サマーズがいっているのは長期の労働供給、つまり自然失業率の原因である。
短期的には労働需要の変動が失業に影響するのは当たり前だが、それを
政府が完全にコントロールすることはできない(cf. Mankiw)。長期の失業率は
労働市場の硬直性で決まるので、政府の介入は有害である。
財政政策というのは労働者を一時的にだましているので、長期的には失業は
自然率に戻り、インフレだけが残る。サマーズもいうように、労組の力が強くなると
労働市場が硬直的になって自然失業率が上がる。
これはフリードマンが有名な1968年の論文で明らかにしたことで、現在は
(保守もリベラルも問わず)経済学の常識である。ところが日本では「マクロ経済学」
と称して、ミクロ経済学と矛盾する奇妙な理論がいまだに教えられている。
特に官僚やジャーナリストには、上にリンクを張った論文を読んでほしい。これは
経済学の歴史でも最高傑作の一つとされ、数式はまったくないので論理的思考力
があれば理解できる。
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