08/07/19 14:22:38
【土・日曜日に書く】東京特派員・湯浅博 CIAが嫌う日本の技術流出
◆綿陽から来る核研究者
手元に、「レーザー核融合」などに関する研究シンポジウムの英文資料がある。今月9日までの
3日間、和歌山県・南紀白浜のリゾートホテルで、日本と中国の研究者が集中討議するための
会議資料だ。実は、この小さな学術会議に、なんと米情報機関が強い関心を示していたのである。
レーザー技術はその95%が軍事技術として転用可能で、使い方によってはきわめて物騒な
シロモノだからだ。驚いたことに、それを日本有数のレーザー研究者12人と中国のレーザー専門家
7人が報告書を交換して議論をすることになっていた。
安全保障の専門家は「中国に報告書を渡すとは非常識だ。レーザー核融合に関する技術の流出
になる」と警戒する。
◆中国スパイに警戒感
問題はこのシンポジウムの意義にある。中国が高度のレーザー技術を渇望していることは、
安全保障の専門家で知らない者はいない。特に、米国内では中国の産業スパイが大量動員され、
米国のレーザー技術をはじめとする先端技術を物色していた。
◆日本技術が兵器に変身
日中間で数年前から共同研究が行われ、昨年は日中協力事業として中国で第1回シンポジウム
が開催された。経産省が技術流出を警戒しているのに、文科省管轄の国立核融合科学研究所から
は日中協力事業として資金が出ている。
まして、大学の研究者の学術交流で合法的に流出することを防ぐ手だてがない。日本の技術が
転用されてできた兵器が、その日本に照準を合わせていたらブラックユーモアではすまない。
先端科学と安全保障のすり合わせは、一刻一秒を争うレベルにある。
URLリンク(sankei.jp.msn.com)