07/05/03 10:18:23
人が倒れた、けんか…街頭防犯カメラ 異常行動キャッチ
東京新聞 2007年5月1日 朝刊
街頭に設置された防犯カメラの映像から、人の異常行動を検出するシステムが千葉県柏市のＩＴ企業
「エーディエス」（後藤秀樹社長）で開発され、ＪＲ柏駅東口に今春、初めて導入された。けんかや人
が倒れるなどの場面を異常行動としてリアルタイムで自動検出することができ、将来的には携帯電話に
メールで配信するなどして瞬時に情報発信することも可能という。
設置された場所は、ＪＲ柏駅東口のダブルデッキ（サンサン広場）で、三月末から防犯カメラ一台が
設置され、運用が始まった。独立行政法人「産業技術総合研究所」（茨城県つくば市）の技術指導を受
けて、エ社が開発した。
システムは、人が普通に通りを歩いたり、会話をしたりする「正常な行動」を学習して数値化。これ
らの正常な行動の分布から外れる「人が倒れた」「けんか」「ひったくり」「傷害事件」などがあると、
異常行動として検出する。運用開始から一カ月でこうした異常行動は検出されていないが、見つかった
場合は、カメラや映像を管理している柏駅周辺防犯推進協会が警察などに通報することにしている。
今のところ、異常行動を検出しても自動的に通報する仕組みにはなっていないが、将来的には、アラ
ームやメールなどで異常の発生を広く知らせることも技術的には可能としている。
昨年十一月、ダブルデッキ上で巨大なキャンバスに一カ月かけて絵を描くイベントがあった際、いた
ずらされないよう実験的に一カ月間、防犯カメラが新設された。千葉県の補助金を受けてシステムの実
験が行われ、製品化にめどがついた。
特殊なカメラは必要なく、情報処理の負荷も大きくないため、通常のパソコンでも利用できるという。
後藤社長は「介護現場や人手不足の工場などでの運用にも応用できる」と話している。