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>>34 >>39
『宝島30』 1996年1月号
オウム事件「怪情報」すべて検証
マスコミ匿名座談会
「江川紹子＝統一教会」説の黒幕は誰だ！
X・・・新聞記者 Y・・・週刊誌記者 Z・・・テレビ局報道部記者
（X） 何でもかんでも「公安リーク」にしてしまうのは問題だと思いますよ。実際、公安はオウム
に対して非常に出遅れていた。我々新聞の場合は、ウチを含めて各社ともサリン事件が発生し
てから、そう間をおかずに、麻原の戸籍をあげている。そこには麻原の父親の出生地が記載さ
れているわけですから、べつに公安情報がなくても麻原の父親が韓国で生まれたということは
わかります。
（Y） でも、警察に予断があったのは事実じゃないの？実際、ウチがあたった警察関係者の
うち何人かは、早い時期から「差別問題」について漏らしていたからね。もっとも、みんな深くは
触れなかったけど。影響が大きかったのは、オウム事件の捜査を直接指揮する立場にある
現政権の閣僚の一人が、オフレコの記者との懇談会で、「オウム事件の背後には同和と朝鮮
がある」と発言したことだね。その情報が流れてくると、「やっぱりそうなのか」と、いわば
「既成事実」として受けとられるようになってしまった。
（宝島） その大物政治家の発言というのは、どの程度信憑性があるんですか？
（X） その話は事実です。その懇談会の場にいたウチの政治部の人間にも確認しましたし。
（Z） よく問題にならなかったですね。
（X） それは発言した政治家自身が、同和出身者だからですよ。これは本人も隠していない
ことですけど。だからこそ、「オウム事件は同じような差別体験の痛みを持つ私にしか解決でき
ない」って啖呵を切ったわけでしょう。話を聞かされた記者の側としては、信じるなっていう方が
無理ですよ。
（宝島） なるほど、すごい話ですねえ。