09/09/27 15:10:23
命宝59
「本当の仏法は、絢爛たる伽藍の中で、民衆を額ずかせ、僧侶が教えを説く、
僧侶中心の伽藍仏法ではない。大聖人の仏法は民衆仏法です。主役は社会で戦
う在家の民衆です。
事実、皆さんは、立派な社会人として生活され、常識豊かに、社会の尊敬と
信頼を勝ち得つつ、布教に汗を流し、指導もし、広宣流布を推進してくださっ
ている。
そして、万人が『仏』の生命を具えているという、生命尊厳の思想を、広く
世界に伝え抜いておられる。
この私たちの運動は、前代未聞の仏教運動といえます。いわば、創価学会の
広宣流布運動こそ、現代における宗教革命の新しき波であり、人間仏法、民衆
仏法の幕開けであることを、知っていただきたいのであります」
中国・広島で、激闘の限りを尽くした伸一は、翌十二日には舞台を中部に移
し、愛知、岐阜でも、全力の激励が続いた。
全身全霊を注いでの山本伸一の指導行は、師走に入っても、とどまることは
なかった。
十二月三日から十日までは、鹿児島の九州総合研修所(当時)で第一回冬季
講習会の指揮を執り、さらに、二十四日から二十九日まで、栃木・群馬指導が
行われたのである。
崩れざる幸福を築くには、わが生命を磨き、輝かせるしかない。そのための
信仰であり、それを教えるための指導である。
トルストイは、「生命は幸福の為めに我々に与えられている」(注)と述べて
いる。
私たちは、幸福になるために生まれてきたのだ。皆が、幸福であると胸を張
って断言できてこそ、真実の平和といえるのだ。
伸一は、吹き荒れる北風の中を走った。彼は、寒風に挑むかのように、新し
き年へ、ますます闘志を燃え上がらせていった。
間断なき挑戦と闘争のなかにこそ、生命の歓喜と躍動があるのだ。
(第二十二巻終了)