08/08/17 11:25:35 YWDgAaGq
今年2月に韓国の国宝第1号・崇礼門(南大門)が焼失したときのことだった。全国民が黒焦げの廃
虚と化した崇礼門を見て胸を痛めていたとき、韓国人に対する中国の一部インターネットユーザー
の反応は本当に意外なものだった。「彼らの悪口を言うな。彼らも韓国省の人民じゃないか」「高麗
省の省都・漢城」「あの国に国宝らしい国宝などない。あの城門が焼けてしまえば韓国人が自慢で
きるような国宝はない」など。いずれも中国共産党機関紙・人民日報の電子版「人民網」への書き込みだ。
最近、中華圏のインターネットサイトで韓国や韓国人はいつでも誰でも気軽に遊べるピンポン玉の
ような扱いを受けていると言ってもよい。「韓国人は孔子、老子、釈迦を韓国人だと主張し、万里の
長城も自分たちが築造したものだという。中国の美女として知られる西施も韓国人だというほどだ。
中国の歴史を盗む韓国人はどれだけ厚顔無恥な民族なのか」
少し前にも、中国近代革命の父として知られる孫文が韓国人だとする主張が韓国に存在すると中
国紙の新快報、台湾の聯合報、中国時報などが報じ、それをきっかけに中華圏のメディアが「韓国
人は他国の歴史人物まで盗む恥知らずの民族だ」と繰り返し報じる事態となった。また、多維新聞
網など海外の中国語ポータルサイトでも韓国を見下す報道が相次いでいる。
これほどまでに中華圏で「韓国人が中国史を盗んでいる」というでっち上げ報道が相次ぐ理由は何
なのか。特にこれだと思い当たるものはないが、中国人の立場で見ると、インターネット上で嫌韓症
をあおり、中華民族主義を刺激すれば、56の少数民族の統合が容易になる。また、改革開放以降、
沿海部と内陸部、都市と農村の対立などを歴史意識による武装で覆い隠すことができる。台湾も経
済的困難や外交的孤立を歴史優越主義である程度克服し、精神的な慰めを得ることができる。
(続く)