08/07/02 22:15:30 ENQzkqNW
その7
二人はしばらく動きませんでした。すると、タイワンちゃんは下駄箱から自分の
くつを取り出し、上履きから履き替え、カサを持ってさっさと昇降口から出て行こ
うとします。チューゴ君はそれをただただ見ているだけです。
「・・・・じゃあね」
そう言って、タイワンちゃんは雨の中をゆっくりと歩き出しました。が、少し歩い
てピタッと歩みを止めてしまいました。そして言いました。
「ねえ、入る・・・・?」
「え・・・・」
突然の言葉に、チューゴ君は固まってしまいました。
「カサ、ないんでしょ?」
「そうアルが・・・・」
気のせいか、チューゴ君の頬が少し赤くなっているみたいです。
「どうするの!?」
タイワンちゃんの一声に、チューゴ君は言います。
「じゃ、じゃあ、お願いするアル・・・・」